(症状)
肛門周辺が突然腫れ、激しい痛みをもって発症します。赤く腫れ上がるのは膿(うみ)をもっているからです。自然に潰れ膿を出すこともあります。ひどくなると高熱や全身倦怠感の原因になります。
(原因)
肛門管にある小さなくぼみ(肛門小窩:クリプトと云います)に便中の細菌が入りこみ、そこから化膿してくることが原因です。
肛門管にはいくつもの肛門小窩があり、排便時に必ずそこを便が通過します。何らかの原因でそこに便が貯留し、細菌が侵入してくると考えられています。
肛門小窩が大きく深い人や下痢気味の人、また糖尿病等の基礎疾患があり、感染に対する抵抗力のない人に発症し易いと考えられています。
(治療)
メスで切開して膿(うみ)を出します。膿を出すだけで、とりあえず症状は改善されます。しかし、これはあくまで応急的処置であって、最終的には痔ろうの根治手術をする必要があります。
ただ、切開排膿だけであれば入院の必要はありません。切開排膿するだけで痛みと腫れの症状が消えてしまい、あたかも治ってしまったかと思われますが、しばらく期間をあけて、痔ろうの状態になってから必ず根治手術を受けることをお勧めします。痔ろうも複雑痔ろうになると手術は大変ですので、早期の手術が原則です。
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