一般病棟と療養型病棟を備えた奈良県吉野郡大淀町にある病院です

●肛門手術の Q&A

【痔の手術は保険が効くのでしょうか？】
特殊な治療を行っている肛門科では、保険が効かないこともあります。
当院では、保険で認められている手術や治療を行っています。


【痔の手術は痛くないのでしょうか？また、どんな麻酔で手術をするのですか？】
内痔核・脱肛の手術や痔ろうの手術はたいてい腰椎麻酔で行いますので、全く痛みは感じません。

外痔核や肛門周囲膿瘍の手術は、仙骨硬膜外麻酔又は局所麻酔で行うことが多いです。仙骨硬膜外麻酔の場合は、腰椎麻酔に比べて、効いてくるまで少し時間がかかりますが、肛門周辺部だけ麻酔がかかるため、当日歩いて帰ることができます。

局所麻酔の場合は、注射の針を刺すときに痛みがありますので、あらかじめ痛みの感覚を鈍くするような麻酔剤入りシールを肛門に貼っておきます。こうしておくとそれほど痛みは感じません。

直腸ガン・肛門ガン手術はたいてい全身麻酔で行いますので手術中の痛みはありません。直腸脱手術は通常腰椎麻酔で行いますが、開腹手術が必要なときは全身麻酔で行います。


【手術はどのくらい時間がかかりるのでしょうか？】
内痔核・脱肛, 裂肛の手術は程度によりますが、おおよそ３０分ぐらいです。

痔ろうの手術の場合、単純痔ろうはそれほど時間はかかりませんが、複雑痔ろうになると１時間以上かかることがあります。肛門ポリープ, 外痔核, 肛門周囲膿瘍もそれほど時間はかかりません。１０分から２０分程度です。


【手術の後、肛門の痛みはないのですか？】
痛みの感じ方はかなり個人差があります。手術後の痛みは、麻酔法によっても,手術法によっても異なりますが、手術終了時にあらかじめ鎮痛剤の座薬を入れておきますので、痛みはそれほどではありません。

手術後の排便時に痛む方もおられますが、傷の治りとともにだんだん和らいでいきます。排便後にウォシュレットで充分洗浄し、傷を清潔に保つことが痛みを起こさないコツです。


【日帰りの手術はできるのですか？】
手術の内容にもよりますが、簡単な手術であれば可能です。例えば、肛門周囲膿瘍で切開手術をした場合,外痔核で血栓切除をした場合,肛門ポリープでポリープを切除した場合などです。内痔核の場合でも、「ジオン注射療法」は一泊入院が可能です。


【手術をした後再発したりしないでしょうか？】
内痔核・脱肛の根治手術をした場合は再発はありません。ただし、輪ゴムによる結紮療法や, 注射による硬化療法は再発の可能性があります。

血栓性外痔核で血栓切除を行った場合は、別の場所に同じような外痔核ができる可能性はあります。

裂肛の手術を行った場合はほとんど再発はありません。

痔ろうの手術で、単純痔ろうの場合はまず再発は考えられませんが、複雑痔ろうの場合、肛門科の専門医であっても再発はあり得ます。肛門科の中でも難しい手術の一つです。