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一般病棟と療養型病棟を備えた奈良県吉野郡大淀町にある病院です

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〒638-0833 奈良県吉野郡大淀町大字福神1番地181

CART治療について~難治性胸腹水の治療~

患者さまとその家族の方へ

●胸腹水とは
 胸やお腹の中には少量の水分がたまっています。これを胸水や腹水といいます。病気の影響により血管や病変部から水分や血液成分などがしみ出して多量にたまると、強いおなかの張りや呼吸困難が生じ苦しくなります。制限や薬などが効かない胸腹水を難治性胸腹水といい、主な原因はがんと肝硬変です。


●難治性胸腹水の治療
 難治性胸腹水の治療法は、穿刺排液、腹腔静脈シャント、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)などがあります。穿刺排液は、針を刺して胸腹水を排液するため、アルブミンやグロブリンなどの体に必要な蛋白質も廃棄されてしまいます。腹腔・静脈シャントは、おなかと静脈をチューブで結び腹水を静脈に流す方法で、外科手術が必要です。しかし腹水ろ過濃縮再静注法(CART)は、手術も必要なく採取した胸腹水中の蛋白質を再利用することができます。


●胸腹水ろ過濃縮再静注法(CART)とは
 (CART:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Theory)

 癌や肝硬変によって溜まった胸腹水から、濾過器と濃縮器を用いて有用なタンパク成分(アルブミンなど)を取り出し、再び体内に点滴で戻す治療になります。

1.胸やおなかにたまった胸水, 腹水をぬきます
 専用の貯留バッグにぬいた胸腹水をためます。血圧などの急な変化を避けるため、胸腹水をゆっくりぬきます。

2.ためた胸腹水を濾過濃縮(ろかのうしゅく)します
 専用の貯留バッグに溜めた胸腹水から細菌,がん細胞や血球成分を取り除き、有用成分を濃縮する操作を行います。

3.濾過濃縮(ろかのうしゅく)後の胸腹水をからだに戻します
 アルブミンなどの有用成分が濃縮された胸腹水を点滴で戻します。



●CARTの特長は?
1.QOL(Quality of Life)の向上


胸やおなかの圧迫が軽減します。
自覚的苦痛が軽減されます。

2.未知の病原体に感染する可能性がありません
 CARTを行った場合自分のアルブミンを補充するので、未知の病原体に感染する可能性がありません。

  

患者さんへメッセージ

 がんの治療はめざましく進歩していますが、胸腹水により治療ができなくなる場合があります。CARTは大量の胸腹水の排液と再利用によって、苦痛を軽減し、栄養状態を改善し、再貯留しにくくする安全で有効な治療法です。


胸腹水濾過濃縮装置M-CART

当院では専用の装置で行うM-CARTを採用しております。
ヒューマンエラーの防止、自動機能により設定値通りの処理を行うなど、従来の方法より安全性と確実性が向上した治療が可能となっております。



依頼方法

 当院で腹水濾過濃縮再静注法(CART)をご希望の方は、まずはかかりつけ医にご相談して頂き、地域連携室までご連絡下さい。治療を希望される場合は、診療情報提供書等とともに事前に受診して頂き、診察や治療方法の説明などののち、同意をいただければ入院前検査および予約を行います。CART治療は副反応がないか経過観察等を行う必要があるため、入院での対応となります。



お問い合わせ

  医療法人 弘仁会 南和病院
  地域連携室  0747-54-5802(直通)
  月曜~金曜  8:45 ~ 17:00




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